残念至極

レントゲン検査の結果、重度の肥満に加えて、スラッジによる排尿困難が顕著でした。
脂肪に覆われた内臓が心肺を圧迫し、胸郭は著しく狭く、画像を見ているだけでこちらが息苦しくなるほどです。
正直なところ、レントゲンに頼らずとも、ひと目見て体幹の脆弱さは明らかでした。

そんな状態で、身動きもままならない10歳のウサギが、初診として来院しました。
前の病院では「手術は不可」と告げられ、当院で何とかならないかというご相談でした。
残念ながら、当院でも手の施しようがないと判断せざるを得ませんでした。

それよりも、どうしても腑に落ちないことがあります。
なぜここまで身体が壊れる前に、飼育の問題点を誰も指摘しなかったのか?
驚くことに、飼主さんは「ペレットが主食」という誤った認識のまま、長年ウサギを育ててきたそうです。

正直に言えば、私はややこしい病気のウサギが来るたびに頭を悩ませるような経験は、できれば避けたい。
そんなことは、可能な限り未然に防ぎたいのです。

そのために必要なのは、適正な飼育・飼養方法を、飼主さんの頭に叩き込むこと。
そして、もっと快適に診療するためには、来院するウサギには従順な性格でいてほしい。
であれば、飼主さんにコントロール法を教え、ウサギとの関係性づくりをお願いするしかありません。

さらに言えば、私自身がもっと気持ちよく仕事をするには、飼主さんの姿勢や心構え――ときに死生観にまで――お節介ながら口を出すことも躊躇しませんでした。

もし反発されたら?
こちらは無理強いしているわけではありません。
「さよなら」で済む話です。
結果として、「うるさい」「こわい」が私の代名詞になってしまったようですが。

でも、ふと思うのです。
今回のこの患者さん――
もっと早い時期に、当院とかかわる機会があったなら、今とは違った未来があったのではないか、と。

こうしたことを書くと、読み手によっては「自画自賛」と受け取られるかもしれません。
私自身、「身内下げ」や「卑下」を美徳とする価値観を持っているため、本来こういうことはあまり書きたくありません。
ですが――それでも、やはり思ってしまったのです。
だから、書かざるを得ませんでした。

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