見立て

さまざまな疾病を治療し、再診時にはその治り具合を評価するのですが、必ずしも飼主さんと私の見立てが一致するとは限りません。

飼主さんが「治ってない」と一刀両断しても、私が診ると確かな改善がある。
こんなときは、私が説明すればするほど言い訳染みてくるので、飼主さんの顔色を伺いながら、言語力を駆使します。

逆に、飼主さんが「良くなりました!」と嬉しそうに報告してくれても、「どこがっ?」と、一瞬の糠喜びに私が落胆することも少なからずあります。
こういうときは、その飼主さんの見立ては当てにならないから、報告内容をすべて鵜呑みにせず慎重に判断します。。

飼主と獣医師、両者の見立ての隔たりをそのまま放置してしまうと、いつか誤解や不信が生まれて、口論や決裂に繋がりかねません。
だから、どんなに多忙や疲労があっても、飼主さんと私の見立てをすり合わせるために、説明や時間を費やすことは、当の患者(ウサギ)に情熱を傾けて治療にあたることと同等に必要不可欠なことです。

しかし、それって何か本末転倒だと思いませんか?

本来なら獣医師は、飼主よりも患者に主眼を置くべきです。
だから、逆説的ですが、私は「必要以上に」説明を要する診察は嫌いです。
「大切なものそっちのけで、自分は何やっているんだろう?」という疑問が頭をよぎるからです。

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