奥歯の処置
奥歯の処置。
獣医師間でも意見の相違があります。
簡単に言ってしまえば、麻酔下で隅々丁寧に処置する派と、麻酔無しの保定下で迅速に処置する派。
飼主さんに尋ねられることがあったので、言葉を慎重に選びながら(どうしてかは察してください)私見を述べます。
私は、当初は麻酔派でした。
しかし、どんなに丁寧に処置したとしても、歯が伸びる子は1〜2ヶ月毎に再処置が必要になりました。
私の手技に問題があるのかもしれませんが。
その度に麻酔をかけ続けるわけです。
その患者さんが老齢になっても生き続ける限りは。
どんなに精度を上げたとしても、麻酔のリスク(危険性)はあるわけです。
歳を取れば取るほど、当然そのリスクは上がるわけです。
ですから無麻酔で奥歯を処置する方法はないかと、色々試行錯誤しました。
使えそうな器具をヒト用、動物用のものから試したり、ときには東急ハンズで工具を物色したり。
無麻酔ですから、怯えて暴れると骨折の危険性がありますから、保定法もスタッフと共に考察し改良し続けました。
正直に打ち開ければ、苦い経験から学んだこともあります。
そうして現在では、通常奥歯は無麻酔で処置させて頂いています。
当院に限れば、費用は麻酔下に比べて1/10以下に収まっています。
もちろん時間も短時間で、故にウサギにかかるストレスも少ないと思います。
処置の回数を重ねることで、ウサギも順応してくれるようです。
それでも年月を重ねて老齢になれば、保定や拘束時間に、より細心の注意を払うことになりますが。
このような経験を経て、現在は総合的に麻酔下より安全ではないかと思っています。
麻酔下と無麻酔下で、手技や効果に雲泥の差が生じるとも、これは私見ですが感じていません。
どちらも経験してみて、感じた印象です。
ただ、決して麻酔下の処置を否定しているわけではありません。
当院では麻酔をかけるに当たっては、手術の枠組みになりますので、事前にレントゲン・血液検査等を実施し、半日入院してもらい、休診時間中に行います。
その上で、飼主さんにメリット・デメリットを考えてもらい、決めてもらうことで良いと思います。
どちらもやれる獣医師が、飼主さんの希望に応じるのが、一番健全だからです。
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