びっこ
いきなり不適切な言葉が表題に出てきて、驚いた方もいるかもしれませんが……。
結局はデマだったようですが、「ハゲ」が公共の禁止用語になって代わりに「ナチュラル」、「不登校」が「ユニパス」になった、というポリコレ(配慮)ネタが、いかにも事実のように広まりました。
そこで思いついたのが、仕事中によく使う、いや、使わざるを得ない、いやいや、熟慮して使うことにしている「びっこ」という言葉についてです。
「びっこ」は、現在では差別的・不適切とされることが多く、公的な場やメディアでは基本的に使わない表現であることは周知の通りです。
もともとは足に障害があって歩き方に特徴がある人を指す言葉ですが、長い間、からかいや侮辱の文脈で使われてきた歴史があり、現在では人を傷つける可能性が高いと判断されています。
そのため、テレビ・新聞・学校などでは使用を避けるのが一般的です。
ただし、法的に禁止されている言葉ではありません。
困ったことに、これを一言で言い換える適切な表現がなかなかありません。
「足が不自由」「歩行に障害がある」「足に怪我がある」といった表現が一般的になりますが、やや説明的になってしまいます。
無理に一語にまとめると「跛行(はこう)」という医学用語がありますが、日常会話ではかなり硬く、一般的とは言えません。
ですから、
「うちの子、歩き方がおかしいんです」
という飼主さんの主訴に対して、
「びっこですか?どんな感じですか?」
と応じることが、現場ではどうしても多くなります。
専門家ぶって、理解されにくい言葉を並べるのは好みではありませんが、「難しく言うと跛行といって、その状態によって懸跛や支跛があって……」といった説明を加えるようにはしています。
ちなみに、私とスタッフの間では、昨今の行き過ぎたポリコレにはやや懐疑的な立場(私だけかもしれませんが)で、言いたいことは率直に伝える主義です。
そのため院内では、内輪の会話として、特に気負いなく世間でいわゆる禁句とされる表現が出ることがありますので、あらかじめご了承ください。
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