消せば済むは間違い
一国の首相が……ああ、面倒くさい。
高市首相が自身の公式サイトから、不都合とされる過去のコラム発言をすべて削除したことが話題になっている。
過去の発言と現在の立場が必ずしも一致しないからといって、それ自体が罪になるわけではない。
その変遷を説明すれば済む話だろう。
たとえ恥ずかしい過去の発言があったとしても、自分が積み上げてきた言葉を思い切って削除してしまえる感覚を見るにつけ、私はこの人物に対して抱いていた印象を、より強くしただけ。
もっとも、これは想像の域を出ないので驚くほどのことではない。
私が「すごいな」と思ったのは、削除されたコラムを再現し、「ここで読めますよ」と情報提供する動きがすぐに出てきたことだ。
米国の Internet Archive が運営する Wayback Machine は、過去のウェブサイトを閲覧・保存できる無料サービス。
サイトのURLを入力し、カレンダーから日付を選べば、当時のページを確認できる。
今回削除されたコラムも、あっさりと閲覧可能になっていた。
同アーカイブは巨大なデータセンター級の設備で運用されており、総データ量は数十〜100ペタバイト超ともいわれる(1ペタバイト=1,000テラバイト)。
保存済みウェブページは数千億ページ規模にのぼる。
運用コストのうち約30〜50%が電気代とされ、年間の電力コストは数十億円規模とも言われる。
それでも、Google や Amazon のような超大規模クラウド事業者と比べれば小さいというのだから、私としては一国の首相の小賢しさよりも、こちらの規模の大きさにこそ畏怖を覚えるし、デジタル時代に「消せば済む」は、大きな間違いだということを肝に銘じた。
(2 投票, 平均: 1.00 / 1)