相方銭湯デビュー

すっかりサウナの世界に魅了された相方が、ひとりで地元の銭湯に行くことになった。

出かける前に連絡が来て、「緊張して吐きそう」と言う。
大袈裟だなぁ、と思いながらも、ふと昔の自分を思い出した。
そういえば、初めてひとりで銭湯に行ったとき、やっぱり少し怖かった。

銭湯という場所は不思議だ。
スパほど広くもなく、静かで、逃げ場がない。
そこに年齢も職業も価値観も違う人間たちが、等しく裸で集まる。
だから自然と、言葉にされないルールや距離感を身につけることになる。
男湯には、肌にスカジャン顔負けの絵を背負った人もいる。
「えっ、そういう人って入っちゃいけないんじゃ?」と思う人もいるだろう。
でも下町の銭湯は、そんなことをいちいち言わない。
基本的に、来る者拒まず。
みんなが少しずつ譲り合って、黙々と湯に浸かる。

そこには、どの銭湯にもだいたいいる「主」みたいな人がいて、こちらが控えめに、礼儀だけ忘れなければ、思いがけず面白い話や、妙に人生の役に立つ話を聞かせてくれたりする。
銭湯は、身体だけでなく、心や人間関係まで「整う」場所なのかもしれない。
相方がそんな世界に興味を持ち、自分で体験しようとしたことが、少し嬉しかった。

「ハマってくれたらいいな」
そんなことを書き出しながら、午後の診療に追われていると、相方から連絡が入った。
無事に銭湯デビューを終えたという報告。
どうやら、話したいことが山ほどあるらしい。
2月6日、「風呂の日」に銭湯初体験で、運命も感じているらしい。

ああ、これはもう——
完全に、ハマったな。

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