ウサギの血糖値と「肝が据わっている」子
ウサギの健康チェックで血液検査をすると、高血糖と出ることが少なくありません。
「えっ、糖尿病ですか?」と驚かれる飼主さんもいらっしゃいます。
でも、実際にはその多くが、病気ではなく“ストレスによる一時的な高血糖” なんです。
ウサギは捕食される立場の動物です。
保定される、注射器を見せられる、それだけでも「捕まった!」と感じ、交感神経が一気に高ぶります。
するとアドレナリンやコルチゾールが分泌され、肝臓に蓄えられていた糖分が血液中に放出され、血糖値がぐんと跳ね上がるのです。
実際、正常時には 100〜150 mg/dl 程度ですが、ストレスがかかると 300 mg/dl を超えることも珍しくありません。
ですから、ウサギにおける血糖値の解釈はとても慎重さが必要です。
当院で、診察や採血のときに行うタオル保定。
安全のためには欠かせませんが、これもウサギにとっては強いストレスです。
「動けない」=「捕まった」という感覚に直結してしまうからです。
保定して数分以内に血糖値が跳ね上がることもあります。
面白いのは、そんな状況でも血糖値が正常範囲のままな子がいること。
昨日、去勢手術をした子がそうでした。
術前の採血で血糖は正常、そして術後の覚醒直後にすぐ牧草を食べ出しました。
思わず私は飼主さんにこう伝えました。
「この子は肝が据わっていますね!」
飼主さんはとても嬉しそうに笑っていました。
ウサギの血糖値は、病気のサインである前に、その子の気質やストレス反応を映す鏡のような面もあります。
もちろん糖尿病などの病気はまれにありますが、ほとんどの場合はストレス性高血糖です。
もし検査で正常値だったら…それは「肝が据わっている」証拠かもしれません。
そんなふうに我が子の性格を知るきっかけにしていただけると、飼主さんはなんだか嬉しくないですか?
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