ある飼主さんから、こう言われました。

「私、先生のことずーーーっと怖いと思ってました。
怒られたらどうしようとか、機嫌悪くないかなとか、いつも顔色を伺っていました。
だから受診するのもすごく気合が必要で…。
ブログもずっと読んでいましたが、とにかく“怖い人”というレッテルを何重にも貼っていたんです」

今では懇意な仲になったので、当時の正直な気持ちを教えてくださったのでしょう。
せっかくなので、私も正直にお話しします。

ウサギだけを診る診療体系にして、もう10年以上が経ちます。
言ってみれば「隙間産業」であり、一般の獣医師とは違う経験と技術で飯を食べているという自覚があります。
ウサギは症状がわかりにくい生きものであり、ほんの小さな見落としが命に関わることもあります。
だからこそ、診療には常に強い警戒心と緊張が伴います。
通院の道中や待合室、診察台の上で命を落とすことを、何としても防ぎたい。
これは「隙間産業」を選んだ私に課された環境だと、諦観しています。

その一方で、私が抱える「警戒心と緊張」を、飼主さんにも共有していただく必要があります。
私ひとりが緊張感を持って挑んでも、飼主さんが無自覚であれば、治療がうまくいかないばかりか、まさに私が最も恐れる亡くなり方につながってしまうからです。

もちろん、すべての診察がハラハラドキドキというわけではありません。
爪切りや健診で患者さんの体調が安定していて、待合室も落ち着いているときには、飼主さんと楽しく雑談することもあります。
その勢いで一緒に飲みに行ったこともありますし、今では「ソウルメイト」と呼べる親友になった方もいます。

私は、そういう人間です。

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