胸椎湾曲(後弯)

ネザーランドドワーフ種を中心に、先天的な胸椎の湾曲(後弯)や胸郭の狭小化が見られるケースが、稀に存在します。
これは呼吸器疾患や循環器への影響を及ぼす可能性があるため、臨床的にも注意が必要です。

ネザーランドドワーフは「小型でコンパクトな体型・丸顔・短い鼻」を求めて交配が進められてきた背景があります。
その過程で骨格の不均衡(頭部の大型化や体幹の短縮)に伴う脊椎の異常形成が強化されてしまった可能性があります。

■「鳩胸(バレルチェスト)」の選択と胸椎湾曲の関係
● ラビットショーにおける評価傾向
ネザーランドドワーフなどのショーラビットでは、前胸部が張り出して丸みがある、胸元が詰まって見える(コンパクト)、「ブロック状」の体型(square body)といった特徴が「美」とされ、評価されやすい傾向があります。

● 胸郭を強調することで起きる弊害
これらを達成するために、前方に胸を張り出す形状=鳩胸体型が選抜されるようになります。
しかしその結果、次のような影響が起こり得ます:

胸郭の前部が過剰に発達し、相対的に胸椎のカーブ(後弯)が強調される。
背中のラインが凹むようなシルエットを好む傾向が進むと、胸椎の後湾を遺伝的に強化してしまう。
結果として、胸郭そのものが狭く、扁平な構造の個体が生まれる。

このような方向性の交配を長年続けることで、見た目にはショースタンダードに沿っていても、構造的には機能的問題を抱えた個体が定着してしまうことがあります。

■臨床での対応
見た目に分かりにくいことも多く、X線撮影で初めて気づくことが多いです。

明らかな呼吸器症状(努力性呼吸、喘鳴)や、麻酔時のリスク増加につながることもあります。
現在のところ、根本的な治療は難しく、管理・配慮が中心です。

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