ツメダニ感染、爆発的に悪化

10歳になる老齢ウサギの背中に、急激なフケの増加、毛のごわつきやべたつきが見られました。
診察室に入った瞬間から、ツメダニ(毛包内ダニ)の可能性を疑い、院内感染を防ぐために飛散対策を行いつつ診察を進めました。

顕微鏡検査の結果、やはりツメダニの存在を確認。
感染がここまで急激に悪化した背景には、加齢に伴う複数の要因が考えられます。

<高齢ウサギでツメダニが爆発的に増える主な理由>
① 免疫力の低下
加齢によって皮膚のバリア機能や局所免疫(皮膚粘膜免疫)が弱まり、もともと皮膚に潜在していたツメダニが一気に増殖する状態になります。
加えて、腫瘍や慢性疾患、腎不全、歯科トラブルなどがあると、全身的な免疫力も低下しやすくなります。

② グルーミング能力の低下
歳をとるにつれ、柔軟性や筋力が落ち、自分で毛づくろいがうまくできなくなることがあります。
その結果、本来グルーミングで物理的に除去されていたダニやフケが蓄積しやすくなり、特に背中〜腰にかけて病変が広がることが多く見られます。

③ 皮膚環境の変化
皮脂の分泌バランスが崩れ、乾燥や過剰な皮脂が目立つようになります。
結果として、ツメダニが好む「フケや脂の多い環境」が形成され、さらに寄生が加速します。

飼主さんに詳しくお話をうかがうと、「ずっと単独飼育で、ペットホテルなどにも預けたことがない」とのことでした。
つまり、感染のきっかけがはっきりしない=かなり以前から感染していたと推測されます。
症状が本格的に現れるまで、長いあいだ痒みや不快感を抱えたまま暮らしていたのだと思うと、やはり早期発見・早期対応の大切さを痛感します。

一見すると「加齢による乾燥かな?」と思うようなわずかなフケでも、気になる場合はぜひ動物病院でご相談ください。
早期に対処することで、ウサギにとっても飼主さんにとっても、負担をぐっと軽くすることができます。

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