ショーラビット用ペレットとサプリ

ウサギは本来、野生では牧草と水だけで生きている草食性動物です。

その消化器の構造や歯の健康維持、肥満予防、腸内環境の安定といった観点から考えると、基本的な食生活は「チモシー牧草+新鮮な水+日光浴(ビタミンD合成のため)」で十分に成り立ちます。
しかし、長期的に安定した栄養バランスを維持するためには、ビタミンEやD、カルシウムなどの微量栄養素を補う目的で、体重の1〜2%以内の高繊維ペレットを与えることが望ましいとされています。

一方、アメリカでは「ショーラビット(品評会用ウサギ)」の文化が根付いており、それに特化したフードやサプリメントも広く流通しています。
これらは、短期間で体格を作り、毛並みを美しく仕上げることを目的としているため、一般的なペットウサギ用とは異なる栄養設計になっています。
具体的には、タンパク質16〜18%以上、カルシウム1%以上、繊維質は14〜18%程度と、高カロリー・高タンパク・高カルシウムが特徴です。

こうしたショーラビット用のペレットは、毛艶がよくなる、食いつきが良いといった理由で一部の飼主から好まれることがあります。
また、海外のブリーダーやYouTuberによる紹介を見て、魅力的に感じることもあるかもしれません。
しかし、その多くは栄養の過剰供給による一時的な外見の改善にとどまり、長期的な健康維持という点ではむしろマイナスに作用する可能性があります。
高タンパク・高カルシウム設計のペレットは、腸内環境の乱れや尿石の形成など、健康に悪影響を及ぼすリスクをはらんでいるのです。

ショーラビット用のフードは、健康を維持するためのペット用とは設計思想が大きく異なります。
言うなれば、見た目を競うための「舞台用の特別食」であり、一般的な家庭で飼われているペットウサギに与えるものではありません。
例えるなら、それはアスリートやボディビルダーのための特別な食事のようなものであり、日常生活を健康に送るための一般的な食事とは異なるものです。

そのため、健康で長く生きてほしいと願う飼主にとって、ショー用ペレットは基本的には不適であり、選択肢からは外すべきでしょう。
飼主さんは、以上のような知識も持った上で、愛兎に最適なペレットを選んでほしいです。

1つ星 (12 投票, 平均: 1.00 / 1)
読み込み中...

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ