小牧・長久手合戦

元来、理系的な思考の持ち主であり、読書を嗜むようになったのも恥ずかしながら社会人になってからと言えるほど。
特に歴史検証ものは苦手な分野だ。
しかし、この本を見つけたときは迷うことなく手に取った。
なぜなら、小牧・長久手。。。これらの歴史を知らないのは、地元民として恥ずべきことだと思ったから。
本書は、高校日本史における「小牧・長久手の戦い」の記述が、あまりにも単純で認識不足であることに不満を抱いた著者が、膨大な資料を読み込み、3年の歳月をかけて完成させた一冊。
歴史は、「本能寺の変(織田政権崩壊)」→「明智光秀討滅(豊臣政権樹立)」という単純な流れではない。
実は、本能寺の変後も「織田体制」は続いており、その後、内部分裂に外敵を巻き込んだ内戦が勃発した。
この「小牧・長久手の戦い」は、織田信雄と羽柴秀吉の戦いが主軸であり、徳川家康は信雄との同盟に基づいて参戦した。
結果として、信雄側として戦いに敗れた形となったが、後の天下人である秀吉と互角以上に戦った家康は、この戦いを通じて名が全国の諸大名に知れ渡った。
そして、その力を認め同時に警戒した秀吉は、最終的に家康を臣従させ大老筆頭として迎え入れた。
著者は、徳川政権の樹立における重要な分岐点は「関ヶ原」ではなく「小牧・長久手の戦い」であり、これこそが真の天下分け目の戦いだったと提唱しています。
今年のエミー賞を総なめにした「SHOGUN 将軍」はフィクションではあるが、その主人公である吉井虎永=徳川家康の物語であるのは明らか。
だからこそ、プロデューサーを務めた真田広之に、ぜひこの戦いを前日課として取り上げてほしいと思う。
この世界でも、映画に負けない命懸けの心理戦があるから。
例えば、クライマックスで秀吉VS家康の開戦が目前かと思いきや、まさかの歴史を変える出来事が起こる展開など、ヒットする要素は十分にある。
地元民にオススメの一冊。
読破後には、必ず秀吉の挑発に屈せず、家康が踏ん張った小牧城に登りたくなるでしょう。
かく言う私も、腰痛治り次第行こうと思っている。
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