猪木喜寿

ちょっと前、新日本プロレスの看板選手が試合後猪木の名前を叫んだが、ちっぽけな波紋すら生まれなかった。

そりゃそーだ。

15年前に猪木は会社を売却、道場に掲げた猪木パネルは若手選手に外されて、新日本プロレスはストロングスタイルを捨て、全く異種のプロレス団体に変貌した。
現在のプロレスファンは猪木のいないプロレスを支持したのだし、我々昭和プロレス世代は昔の記憶に生きることを決めたのだから、どこにも響かず波紋など生まれる筈ない。

「何も札幌大会起きなかったので、今気になっているヒトのことを言わせてください」のあとに「アントニオ猪木ぃ〜っ」とだけ叫んだ選手。
正しくはヒトの “こと” でなく、ヒトの “名” だろ。
もっと言うなら、会社の創設者に敬意を表す大人の感覚があるなら、”ヒト” ではなく敬語表現で呼ぶべきだ(ちなみに蝶野は過去に猪木を “神” と表現した)。
私的にはさぶいぼが立つマイクパフォーマンスだったが、盛り上がらなかった大会にひとつでも話題を提供しようと、大した考えもなく出てしまった呼びかけなんだろうと思う。

15年前に決別した、身体がボロボロの77歳を、都合よく利用するんじゃないよ。
猪木は、この世代のなかで敬愛されれば、それだけで良い。

77歳、お祝い申し上げます。

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