麻酔と手術のはなし
Anesthesia(麻酔)の語源はギリシャ語で「感覚がない」だそうですが、古代中国では大麻、エジプトではアヘン、ギリシャではマンドラゴラという毒性植物をワインに入れて試されていたといいます。
世界中でその方法を模索し続け、やっと1840年代になって、2人のアメリカ人歯科医が現在の吸入麻酔の元になるシステムを開発しました。
当時使用されていた薬剤はクロロホルムや笑気ガス、そこからエーテル、ハロタンと使用する麻酔薬は進化していき、現代ではイソフルランやセボフルランなど、安全性の高い麻酔薬が動物病院でも使用されています。
安全性が向上しても、やはり麻酔・手術は最も神経をすり減らす作業であり、患者さんの年齢、体型、性格など様々な状態を考慮して実施します。
以前にも述べましたが、私的には7歳以上のウサギから手術の年齢リスクを考えだします。
10歳以上となると手術以外に解決法が見出せない、例えば手術しなければ亡くなってしまう可能性が高い、絶えられない痛みや苦痛を解決したいなどで、飼主さんと相談の上実施しています。
愛兎がリスクある治療に挑む最終決定は飼主さんに委ねられますし、状況によっては早急な判断を要する場合もあります。
もしものとき、できるだけ混乱動揺せず、手術するしないに関わらず、愛兎にとって最善だと思われる方法を選択することが大切です。