神様の思し召し
17作目
少し頼りなげな息子が発した「ぼく聖職者になりたい」がきっかけで、今まで勝者の生活を甘受していたエリート医師の生活がメチャクチャになりかけ、無神論者だった彼が皮肉にも神父に救われるというコメディ作品。
障害者の富豪とスラム街の介護士による男の友情を、笑って泣けるコメディにしてヒットした「最強のふたり」を引合いに出しているので、出演者か監督が同じかと思ったら、同じ東京国際映画祭で話題になっただけの繋がりでした。
本作は、たった1ヶ月の神父との付き合いで、自ら家族生活を立て直したオッさんの話で、彼は最後も無神論者のまま、神父に義理立てしたにすぎないクライマックスであり、互いの結びつきは「最強のふたり」には及ばず、故に同列作品と観るには幾分ドライでコメディ色が強い作品です。
個人的に思うのは、現実の社会では、医療を追求する人間ほど信心深くなると思うけど。
無神論者の医者なんて怖いわ。