Miracle Man

22日に亡くなったオジー・オズボーンについて、昨日いろいろ語ったばかりだが——
やはり、私的No.1チューンは「Miracle Man」に尽きる。

この曲は、1988年発表のアルバム『No Rest for the Wicked』に収録された、オジーらしい皮肉と怒りが詰まったハードロック・ナンバーだ。

ミュージックビデオを観れば、何やら「どこかの権威者」が揶揄されていることに気づくが、これは当時、アメリカで絶大な影響力を持っていたキリスト教福音派のTV説教師、ジミー・スワガートを指している。

80年代後半、ヘヴィメタルは世界中の若者を熱狂させる一方で、アメリカのキリスト教保守派からは「青少年に悪影響を及ぼす」として、弾圧の対象となっていた。
中でもスワガートは、ことあるごとにオジーを名指しで非難し、「サタンの音楽」と罵倒していた張本人である。

だが1988年、そのスワガート自身が売春スキャンダルで転落。
まさに“天から堕ちた奇跡の人”となる。
そしてそのタイミングで、オジーが世に放った“復讐ソング”が、他でもない「Miracle Man」

Miracle Man got busted
奇跡の人がしくじった
Miracle Man’s falling from grace
奇跡の人が天から堕ちた

この曲は単なる宗教批判ではない。
オジーが長年受けてきた理不尽な非難への痛烈なカウンターであり、彼らしい反骨精神と毒気、そしてどこか笑えるような風刺センスが炸裂している。
ライブでも盛り上がる定番曲であり、ファンの間でも長年愛され続けている一曲だ。

自分はこの曲に出会って、「やたら綺麗事や正義を叫ぶ人間には、何か裏があるかもしれない」という猜疑心と、「やられたらやり返す——それも洒落っ気たっぷりに」という粋な復讐法を学んだ。

オジーは、ただの“イっちゃってるおじさん”ではない。
鋭い社会観察眼とユーモアで、時に痛烈に、時に滑稽に、彼の生き方そのもので我々を熱狂させ、考えさせてくれる存在だった。

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