愛を耕すひと
2023年製作、デンマーク・ドイツ・スウェーデン合作の歴史ドラマ作品。
デンマークでの原題は「Bastarden」で、直訳すると「ろくでなし」を意味する。
西洋的な要素を取り入れた壮大な北欧叙事詩として、約束の地とされた過酷な大地、そしてその先に差し込む希望の光を描いている。
『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)で悪役ル・シッフルを演じたマッツ・ミケルセンが、本作では冒頭から己の野心のみを燃やす、貧しいデンマーク人将校ルートヴィヒ・カーレン大尉を熱演する。
不毛の荒野に開墾地を築いていく過程で、「ろくでなし」と呼ばれる男が次第に「愛」を得ていく姿には、ただただ心を打たれる。
階級の壁を越えようと、自らの利益だけを追い求めていた冷酷な男が、徐々に人間味を帯びていく変化の描写は見事で、悪役顔のマッツ・ミケルセンだからこそ成立した、まさに当たり役と言える。
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