地元サウナで
午前中の程よい緊張感から解放されて、昼飯をバカ食いしてしまい「体重を落とさねば」警報が発令。
いつもなら名城ジョギングなのだが、今日はあいにくの雨。
最悪、滑って転んで動けなくなったら、スタッフOかF、あるいは姉貴に救助を頼む羽目になる。
そこで、地元の銭湯・サウナで“水抜き”することにした。
そこは、昨今のコンプライアンスなど存在しない、昭和レトロな空間。
サウナに居合わせる八割方が、己の地肌をキャンバスに表現活動をしている、まさにモンパルナス。
最初は恐怖だったが、よく考えたら彼ら芸術家は堅気と揉めて面倒になるのを嫌うので、むしろマナーがいい。
今や妙に落ち着く空間になってしまった。
今日の午前、やっとのことでカフェに連れて行った人物は、予想通り、思慮深い方だった。
その思慮深さゆえに、今の時代の速さに馴染めず、痛めた心を閉ざしかけていた。
そこをなんとかこじ開けたい。
言うなれば「天岩戸隠れ」の天照大御神を引っ張り出した天手力雄神の気持ちである。
だからこそ、今日のサウナでは一人静かに、午前の出来事を総括し、次の作戦を練るつもりだった。
ところが、今日そこにいたのは真っ白なキャンバスの男、つまり私と、年上のジジイ2人だけ。
静寂を期待できそうな状況だったのに、このジジイが厄介者として有名な人物。
誰にでも話しかける、筋金入りの寂しがり屋だ。
案の定、「今日は天気悪いな〜、明日はどうかね〜」と、どうでもいい話を始めやがった。
そんなジジイを完全無視して、とにかく余韻に浸りたかった自分。
なんと、ろう者を装い、聞こえないフリで即興のめちゃくちゃ手話を披露。
途中で中指を立てるジェスチャーまで織り交ぜる徹底ぶり。
帰宅してから冷静に思った。
「あんなこと、よくやったな自分」
でも正直、あの瞬間の自分、ちょっと役者っぽい感でカッコよい?
いや、たぶん最低だった。
明日からまた真面目に、正直に生きよう。
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