ビリー・サマーズ

老眼鏡を駆使して一気に読破した、スティーヴン・キングの最新長編小説。
本作は「ホラーの帝王」が得意とするスーパーナチュラル要素は無く、3部作中最後にどうしても得意技が出てしまった「ミスター・メルセデス」よりも、更に純粋なクライムスリラーといえる。
ただ、それでも本作中にキングの出世作のあのホテル跡が出てきたから、自分は思わずニンマリして読み進んでしまった。サービス精神旺盛な作者です。
主人公のビリー・サマーズは殺し屋で、これが最後の殺しと仕事を請け負った。
潜伏先にて小説家と偽ったデイヴィッド・ロックリッジ、IT技術者ドルトン・スミス、そして本人の3つの人格を使い分け、プラス・デイヴィッドの創作中の小説の主人公も加わった、一見するとややこしい展開だが、そこはキングの凄技でスムーズに読めた。
帯にあるように、ご近所づきあいして、子供と触れ合って、小説書いて、人を殺して、助けて、高度な心理戦展開して。。。飽きがこない。
ホラー無しでも、ここまで夢中にさせる物語を紡ぐキング、現在76歳の彼の才能とアイディア、情熱が枯れないのがスーパーナチュラルだ。
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