アルコール不耐性との関係性は?
「酒類仮説」を考えるにあたって、すぐに第二兄貴が思い浮かびました。
彼は全くの「下戸」、お酒が一滴も飲めない。
進化から取り残されたのか?
あんなに獣医師として優秀な兄貴が?
アルコールを分解する酵素 ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)に遺伝的な変異があると、アルコールの代謝が遅くなります。
この変異を持つ人は アセトアルデヒド(アルコールの分解過程で発生する毒性物質)が体内に蓄積しやすく、顔が赤くなる・吐き気・動悸などの症状が出やすいです。
特にこの変異は、東アジア(中国、日本、韓国)を中心に約30~50%の人に見られることが知られています。。。兄貴ですね。
もし「アルコールが好きな方が進化的に有利だった」なら、なぜアルコールに弱い人がこんなに多いのでしょうか?
いくつかの仮説が挙げられています。
仮説1:農耕の発展により、アルコールの害が強調された
酒類仮説は「熟したフルーツを探していた狩猟採集時代」の話ですが、農耕が始まると「発酵(保存)技術」により、より強い酒が作られるようになりました。
狩猟採集民が自然発酵したフルーツ(アルコール度数が低い)を食べていたのと違い、農耕民は濃度の高い酒 を飲む機会が増えました。
これにより「アルコールの摂取を抑える仕組み(ALDH2変異)」が、生命維持に、逆に有利になる場面も出てきたのでは?
仮説2:感染症対策としての適応
東アジアでは、飲料水の安全性が低かった時代に「発酵食品」や「熱処理(お茶)」が普及しました。
ヨーロッパなどでは、水の代わりにビールやワインを飲む文化が発展しましたが、東アジアでは酒の摂取量が相対的に少なかった。
その結果、アルコールをあまり摂取しない文化圏では「ALDH2変異が淘汰されずに残った」可能性があります。
仮説3:社会的な影響
アルコールに耐性がある(酒に強い)と、飲みすぎて問題を起こすリスクもあります。
「酔いすぎないようにする」遺伝的適応が、特定の地域では文化的に有利に働いた可能性もあります。
酒類仮説とアルコール不耐性は矛盾するわけではなく、時代や環境の変化に応じて「飲める方が有利な時代」と「飲めない方が有利な時代」があったということですね。
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