臼歯不正咬合から眼の突出まで
- 臼歯不正咬合の始まり
ウサギの歯は「常生歯」で、一生伸び続けます。
本来は硬い牧草をしっかり噛むことで上下の臼歯が均等にすり減ります。
ところが、牧草不足や歯の生え方の先天的な異常があると、上下の歯が正常に噛み合わず「不正咬合」になります。 - 臼歯の異常な伸長と棘(スパー)の形成
不正咬合が起きると、一部の臼歯が過剰に伸びたり、尖った「スパー(とげ)」を形成します。
その結果、口腔粘膜や舌に慢性的な傷や潰瘍ができ、食欲低下やよだれが見られるようになります。 - 歯根の伸長と顎骨への影響
ウサギの歯は「歯冠」だけでなく「歯根」も常に伸びる特徴があります。
不正咬合が続くと、歯根が本来の位置から逸脱して顎の骨を圧迫し、歯根膿瘍が形成されます。
下顎臼歯では顎骨の膨隆や膿瘍として、上顎臼歯では鼻腔・眼窩に影響を及ぼします。 - 上顎臼歯の歯根が眼窩に侵入
上顎臼歯の歯根は眼窩(眼球の入るスペース)に近接しています。
歯根が伸びすぎたり、膿瘍が形成されると、眼窩を後方から圧迫します。
その結果、眼球が前方へ押し出され、眼球突出が起こります。 - 顔の変形 → 眼球脱臼に至る
歯根膿瘍は顎骨を破壊し、頬部に腫脹や変形を引き起こします。
圧迫が進行すると眼球はさらに突出し、最終的に視力障害・瞬き不能・角膜潰瘍を起こし、眼球が機能を失うこともあります。
重症例では、眼球が完全に脱臼してしまうこともあります。
まとめ
臼歯不正咬合
➡ 歯の伸びすぎ・スパー形成
➡ 歯根伸長・膿瘍形成
➡ 顎骨の変形・頬の腫脹
➡ 眼窩を圧迫
➡ 眼球突出・脱臼
この流れが典型的な経過です。
治療は「臼歯トリミング」や「膿瘍の外科処置」「抜歯」が検討されますが、ウサギでは外科的治療が難しく、予後が厳しいことも多いです。


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