告白

前回、「保定中に強く蹴った衝撃で脊椎を骨折……」と書きました。

今回はその件について、もう少し素直に、事実を述べておきたいと思います。

ウサギ診療の黎明期――30年近く前からこの世界に関わってきましたが、当時は知識こそあれ、技術を教えてくれる“マスター”のような存在は身近にいませんでした。
だからすべては、己の試行錯誤の繰り返しでした。

私がこれまで飼育してきた歴代のウサギたちには、適正飼育を実践する一方で、ときに処置や治療の“実験台”になってもらったこともあります。
それは誇れることではありませんが、神ではない一人の人間としての技術は、彼らの犠牲のうえに成り立っている部分が確かにあります。
何度も失敗し、悔やみながら、トライ&エラーを積み重ねてようやく身につけた技です。

そうしてようやく、自分でも納得できる完成度と確信を得てから、大切な顧客のウサギたちに用いるようになりました。
しかし、どれほど慎重に行っても、長くこの仕事をしていれば、思いがけないアクシデントは避けられません。

そんなとき私は、眠れぬ夜を悶々と過ごしてきました(おかげで今では慢性不眠症です)。
女性スタッフたちもまた、嗚咽を堪えながら、自分の心が折れないよう必死に踏ん張ってきました。
ただ「ウサギが好き」なだけでは、とっくに淘汰されていたはずです。

一度はどん底を味わい、その想いを共有してきた者同士だからこそ、「次に進むには何が必要か」を一緒に考えることができました。
挫けてしまえば、そこからは何も生まれないし、せっかく積み上げてきたものが消えてしまう。
苦しくても途中下車はしない――そんな覚悟が、彼女たちにもあるのです。

そんな修羅場、いや苦境をくぐり抜けてきた仲間だからこそ、院内ではタメ口で、おちょくり合って、笑い合える。
……まあ、必然的に「女3人に辱めを受ける私」という構図が、完全に定着してますが。

以前なら、こういう話を公に書くことはなかったと思います。
でも、私のキャリアも終盤に差しかかってきましたし、そろそろいいんじゃないかと思うようになりました。

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