元々の体内時計
また、面白い知識を得たので、ここで紹介します。
今から60年ほど前、光の届かない洞窟で寝泊まりして、決まった時間に起きられるかどうかを調べた人がいます。
ドイツの医師、生物学者、行動生理学者であったユルゲン・アショフという人です。

洞窟ですから、テレビやスマホ、時計など、時間を知る手がかりはありません。
数週間泊まり込んでわかったのは、時間と光の情報がなければ、起きたり寝たりする時間が毎日少しずつ遅くなっていくということでした。
こうして人間のもっている体内時計が、24時間よりわずかに長いことが明らかにされたのです。
では、この体内時計が24時間より長い理由は、現在までにどのように考察されているでしょう。
いくつかの仮説が挙げられています。
1.地球の自転周期に適応しつつ、調整しやすくするため
地球の自転は24時間ぴったりだけど、自然環境には多少の変動(季節や天候の変化など)がある。
なので、体内時計が少し長めだと、朝の光を浴びることで毎日リセットしやすくなる。
2.進化の過程で生じた生存戦略
人間の祖先は夜行性の時代もあったため、概日リズムが厳密に24時間に固定されず、少し柔軟なほうが適応しやすかった可能性がある。
長めのリズムを持つことで、環境に応じて生活パターンを調整しやすい。
3.月や宇宙環境への影響
月の周期(約24.8時間)との関連も指摘されており、進化の過程で影響を受けた可能性がある。
宇宙飛行士が光の調整をしないと、徐々に体内時計がずれてしまうことが知られている。
では、ヒト以外の生き物に関してはどうでしょう?
ほとんどの哺乳類、鳥類、昆虫など陸上動物は、体内時計が24時間前後に設定されています。
なかでもウサギを含めた哺乳類は、人間と同じように24時間より少し長い傾向にあります。
海洋生物は、潮汐リズム(約12.4時間)に適応した体内時計を持っています。
そして、自身のリズムを地球のリズムに合わせる際にもっとも重要となるのが、太陽の光です。
朝陽を浴びることによって、私たち生き物の体内時計は24時間に補正される仕組みになっているのです。
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