お腹を触る
愛兎が腸閉塞になった場合、一刻も早く飼主さんが発見し、動物病院へ受診することが重要です。
うさぎの勉強会・上級編で、ウサギのお腹の触り方をレクチャーしだして数年経つから、相当数の飼主さんがその技術を獲得していると思います。
実はお腹を触ること(腹部触診)で得られる情報は膨大で、私的にはレントゲンやエコー検査より、この道具要らずで元始的な方法を最も重要視しています。
だから、当院に足を踏み入れたウサギは診察台上で、もれなくその洗礼を受けて頂いており、その数は年間7000前後(同一個体もいる)に及びます。
ウサギにしてみれば、突然髭面のオッさんにデリカシーの欠片もなく隅々触られるのだから、心中穏やかである筈がない。
しかし私はそれをわざとやって、ウサギの心拍や呼吸の昂り、嫌がる動作、逆に我慢してくれる様などを観察し、病状の良し悪しや性格を測っています。
更に、その状況を心配そうに見つめる飼主さんの表情も横目で見て、飼主さんの愛兎に対する溺愛度合いも察し、そのウサギが甘やかされていないか、オヤツばっかり貰っていないかなど、想像を巡らしています。
ただ触るだけで、いろいろなことがわかってしまうのです。