粉砕に注意
ホームメイド流動食を作るために、「お茶ひき器」の活用を提案してくださった飼主さんから、新たなリポートが届きました。
この機器は、牧草を最小0.15mmまで粉砕できるそうです。
ただし、あまりに細かくしすぎると、ウサギにとって重要な「不溶性繊維(=粗繊維)」としての役割が弱まり、消化管――特に盲腸や胃腸の動きに悪影響を与える可能性があります。
チモシーのような長繊維の牧草を粉末状にしてしまうと、腸を物理的に押し出す力が失われ、蠕動が低下しやすくなります。
その結果、毛球症・うっ滞・盲腸便の異常などにつながるおそれがあります。
詳しく述べると、「粗繊維は最低でも1.5〜2.0mm以上の長さが望ましい」とされており、0.3mm以下の粉末は、もはや“繊維”とはみなされません。
実際、家畜飼料の分野でも「機能性繊維が失われる粒度」として、0.3mm以下がひとつの基準とされています。
もちろん、現在市販されている粉状のウサギ用流動食も存在しますが、それらはあくまで緊急時や補助的な栄養補給を目的としたものであり、長繊維の代替にはなりません。
日常的な主食として与えることは推奨されていません。
一方、当院で推奨しているOXBOW社の「ハービーケア」は、粉末の粒径がやや大きめ(1〜2mm程度)で、老齢ウサギの介護期にも非常に有用な流動食として活用できます。
要するに、牧草を粉砕するにも、“さじ加減”が必要だということです。
なお、この飼主さんは、注射ポンプで強制給餌しやすいよう、牧草をできる限り細かく粉砕して与えていました。
しかし、愛兎の食欲が次第に低下してきたことに疑問を抱き、ご自身で調べた上で、この問題点を私に報告してくださいました。
本当にすごいと思います。
こたろうちゃんのSさん、ありがとうございました。
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