病気の子を迎え入れるなら
ショップでひと目惚れした子に、病気の症状があった。
それでもどうしても気になって、「飼うべきか、飼わざるか」と悩み、相談に来た方がいた。
その方は、これまでの経緯を語るうちに感極まり、涙を流された。
私はその姿を見ながらも、感傷に引きずられることなく、これからその子に起こりうる様々な未来について淡々と説明した。
── 病気は、適切な治療で治るかもしれない。
あるいは慢性化して、長く付き合っていくものになるかもしれない。
他の病気があとから見つかる可能性もあるし、今は隠れている問題が後になって現れることだってある。
もしかしたら、その子はもともと体が弱いのかもしれないし、生まれつき何らかの欠陥を抱えているのかもしれない。
「どんな悲観的な未来が待っていたとしても、その子の一生を背負う覚悟があるなら、迎えてあげればいい。
でも、その覚悟が持てないなら、やめたほうがいい。」
そして私は、こう伝えた。
「どちらを選ぶかは君の自由。
ただし──もしその子を迎えて、後になってまた僕のところに来て、今日と同じように涙を流したら、僕は君を怒るからね。
……なぜだかわかるよね?」
読んでくれたみなさんも、わかりますよね?