肥満と酸化ストレス

コロナ禍に感染対策として抗酸化療法を指導して下さった、岐阜大学科学研究基盤センターの犬房春彦特任教授が肥満と酸化ストレスについて教えて下さいました。

専門知識が無い方にも分かりやすい説明でしたので、以下に紹介します。

まず肥満は、BMIという指標が基準になります。
BMI=体重kg/(身長m)×(身長m)で計算します。
BMI=22を身長に対する適正体重としています。

BMI=18.5未満が痩せ型、BMI=18.5~25未満が普通体重、
そして、BMI=25以上が肥満となります。

肥満状態はそうでない人と比べ血糖値が高い状態の方が多いです。
そして血糖値が高い状態では、酸化ストレスも増えます。

血糖とは炭水化物が分解されてできたグルコースのことです。
グルコースは身体の細胞内にあるミトコンドリアという小器官で、私たちが活動するためのエネルギーに変換されるのですが、血中のグルコースが必要以上にあると、本来エネルギーを作るはずのミトコンドリアが仕事をしなくなってしまうのです。

ミトコンドリアはエネルギーを作る過程で、体内に取り入れた酸素を使います。
しかしミトコンドリアが本来の仕事をサボり、使われるはずだった酸素が余ってしまうと、身体をサビさせる活性酸素になってしまいます。

このため、血糖値が高い状態だと身体の酸化ストレスが増えてしまうのです。

肥満は血糖値が高くなり、酸化ストレスも増えている状態ですから、肥満の改善には酸化ストレスを下げると同時に血糖値も下げる必要があります。

血糖値を下げる具体的な方法のひとつは、糖質制限です。
そして、もうひとつは運動です。
この二つで肥満はどんどん改善していきます。

特に肥満に効果のある運動方法は歩幅を広げ、自分で「かなり早いかな?」と思うくらいのスピードで歩くことです。
そうするとだんだん汗がジワリと湧いてきます。
3~4キロの距離を週に2、3回行うとよいでしょう。

またマシーンなどを使って筋トレをすることも良いのですが、その場合は非常に過大な荷重をかけるのではなく、自分が十分に動かせるような荷重で回数を少し多めにこなすのが肥満改善に効果的です。

肥満は酸化ストレスが増えるだけでなく糖尿病の原因にもなります。
できるだけ肥満予防と同時に抗酸化対策を、日常生活に取り入れていただき健康長寿に役立ててください。

コロナ感染症でのハイリスクに肥満があげられていたのは、この酸化ストレスが原因だと犬房先生は考えています。

また、抗酸化作用のある栄養素については、こちらを参考にしてください。

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