猟師になりたい!

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本書は著者の北尾トロ氏が長野での田舎暮らしをスタートした際に、猟銃免許を取得し猟師となっていく過程を、地元信濃毎日新聞にシーズン連載したコラム。

現在日本の山は全国規模で荒れており、シカやイノシシ、クマの被害が深刻とされている。加えて猟師の数の減少高齢化で、猟友会の維持が困難な現状らしい。
本書で著者が移住した長野では、シカの被害が最も深刻で、県全体の適正数が約1万5千頭とされているのに対して、驚くべきことに現在は10万頭ぐらい生息しているとされている。
どうして増えたのか?に関しては、本書で詳しく述べられていないが、一説には全国規模で野犬がいなくなったことがあげられる、と以前誰かに伺った覚えがある。

野犬の撲滅は

・愛玩動物としての飼犬の適正な飼育啓蒙

・全国の保健所・愛護センターでの取り組み

・獣医師の狂犬病予防接種、避妊・去勢手術などの医療管理

による効果が大きく、イヌを適正にコントロールしようとしたあまり、思わぬところで被害が生じたとすれば、現在の日本の山の状況は、他人事ではない気がして、深刻に受け止めざるを得ない。

加えて、先日TVで「狩りガール」と称して、若者、女子の狩猟に関する興味が高まっている状況、ジビエ料理の認識とブームの可能性が放送されて話題を呼んでいることも知った。

ならば、地元行政と狩猟団体、食肉衛生業者の連携が上手くいけば、自然と農地の適正保護、新たな食肉産業誕生、地元活性化と、地方の問題が複合的に解決する可能性を十分秘めている気がするし、挙句に獣医師として関われる領域なのかも、と図々しい思いも芽生えながら、夢中で読めてしまいました。

もちろん続編も即購入。
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地元愛知県の状況も気になりだし、個人的にとても興味そそるテーマになってます。

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