国のために死ねるか
帯の言葉通り、特定の思想を強要するプロパガンダ本ではない。
1999年、著者が航海長として乗船したイージス艦みょうこうの関わった能登半島沖不審船事件をきっかけに、海軍特別警備隊の創隊に携わり、日本での特殊部隊のあり方に疑問を持ち自衛隊を辞め、フィリピンのミンダナオ島での求道生活までを語ったもの。
特殊部隊員に求められる精神構造は?
日本の軍隊のレベルは?
表題の、国のために死ねる心構の持ちようとは?
著者の実体験からの説得力ある話が続くが、後半のミンダナオ島での海洋民族の女性戦士との話あたりから、言いたいことを表現するために想像されたフィクションの匂いがプンプンし出すのは、私が捻くれてるからか、ミンダナオ島の知識が皆無だからか。
しかし、仮にそこがフィクションであったとしても、著者の主張は誇張されることなく伝わるし、国防の当事者からしか発し得ない説得力十分な言葉でした。