コマンダンテ

8作目

オリバー・ストーンが3日間にわたり計30時間フィデル・カストロをインタヴューしたドキュメント作品。
俳優を用いた伝記映画を製作するのではなく、本人が醸し出すオーラが圧倒的だと判断しての決断だったのでしょう。

本作は、アメリカが上映を拒絶した問題作であり、それゆえ2002年の製作以降市場には出回っておらず、今回入手するのが大変でした。
アメリカと国交回復し、変化を遂げつつあるキューバの現状を見ればこそ、15年前だが、最も詳細なフィデルの声と姿を体験したくなりました。
アメリカという大国に最後まで逆らい、自国国民の尊敬を保ち続けた、20世紀最後の革命家に触れる貴重な記録。

彼は全編通して1箇所も削除を求めなかった、すなわち製作者側に自分自身がどのように作られるか委ねた。
プロパガンダ作品ではないということです。

「自分は無神論者だ。 
 ある感情を叩き込んでくる神は信じない、常に合理的に考える」

「独裁ではなく、説得と道徳的な権限を行使した。
 私は自分自身の独裁者であり、国民の奴隷だ」

「生きがいとは、物事の価値を知ること、知識を得ること、
 人生において何かを成すこと、自制すること」

「未来を楽観視してはいけない。自分をごまかすのは よそう。
 恐らく この先はすべてが もっと困難になる」

エンドクレジットでB.フランクリンの言葉を引用

 一時の安全のために
 自由を放棄する者は
 どちらも得られない

完全に自分の国に対する戒めに感じ、ドーンときました。

更に私的には・・・
当時77歳のフィデルが健康のため実は葉巻をやめており、代わりに○○を嗜んでいた事実を知ったのが一番ショックでした。

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