イーグル・ジャンプ
9作目
1993年のアメリカの映画に、ジャマイカの最弱ボブスレーチームが冬季オリンピックにチャレンジするスポーツ・コメディ作品「クール・ランニング」というヒット作があった。
本作は、まさしくスキージャンプ版クール・ランニングだ。
ボブスレーはチームプレー、スキージャンプは孤独な個人競技、そして本作には高所恐怖症が腰を抜かしそうなジャンプ競技の怖さがリアルに再現されており、才能と技術、トレーニング環境が欠如した(本国でスキージャンプ選手は彼ひとり)マイケル・エディ・エドワーズが、ガッツと元来の周りに好かれる性格で、一気にオリンピックの英雄になる痛快作品。
「キングスマン」の二枚目新鋭タロン・エガートンが、どこまで実在のマイケルに似せてくるか想像できなかったが、改めて実写と見比べて、あまりにもそっくりで驚いた。
作中、ジャンプの恐怖心克服のため、好きな女優を思い浮かべる方法を教わったマイケルが想像するのがアメリカのセクシー女優ボー・デレク。
彼女は最低の映画に与えられるゴールデンラズベリー賞を最多受賞した、80年代最も最低と評価された女優。
マイケルもボーも、才能と実力はないが、観客の記憶に残る存在であり、本作はその有意性を示してくれている。
なかなかの良作なのに日本未公開、是非自宅で鑑賞してちょーだい。