飼主の説明力

診察時、患者(ウサギ)が直接治してほしい症状・病気を訴えることはできません。

患者の代わりを務めるのが飼主で、もちろんその説明力が診断、治療、治癒に影響を与えます。
こんなこと書くと、自分の獣医師としての力量不足を、飼主に責任転嫁してるようだが、飼主の説明に混乱させられた経験は決して稀とは言えないから書いてみたい。

「今日はどうしました?」と尋ねた後に続く飼主の説明を主訴と言います。
主訴とは、「患者が医者に申し立てる症状のうちの主要なもの」ということですが、その肝心の「主要なもの」が全くわからない。
若い頃は聞いてる私も気が短いので「いやいや、聞きたいのはそんな話じゃなくて。。。」って遮ってましたが、飼主の訴えを無視する獣医師と見られるのも嫌なので、最近は心中(それは聞いても診断の参考にならない話なんだよなぁ〜)と思いながら「あっそう、ふ〜ん、そうなの」と頷いている。
止められないから調子付いた?飼主の話は、映画ならスピンオフ級の脱線モードで、止め処なく落語家や講談師なみに続く。
そのうち当の本人が「あれっ? 私何を訴えたいんだろう?」って表情示すときもあったりして、不謹慎だけど笑っちゃう。

ウサギは、どんな飼主と巡り合うかで、人生、いやウサ生左右されますな。

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