相互理解

コロナ禍TVで拝見するようになった、元厚生労働省医系技官で医師の木村盛世先生。
彼女がある講演で、亡くなった患者に治療を尽くした医師に対して「なんで病院に来たのに亡くなったんだ?」と不満を言う遺族に対する解せぬ思いを語っていた。

わかる気がする。

獣医師も同様で、どんなに最先端の知識と技術、経験と熱意で挑んだとしても、残念ながら全ての病気が治せる訳ではない。
特効薬といっても治癒率100%の薬なんてない。
だからといって診る側の立場が、それを厚かましく述べるには抵抗があるだろう、普段からなんちゃって獣医師を公言している自分は抵抗ないからここに書けるが。
また、おおよその獣医師は日々自己の治療に対する考察を繰り返し、少しでもその効果を上げる努力を惜しまないのに、それについても語らない。
己の苦労や努力を語るのは、不細工な所作だと思っているから。

患者である動物も何も語らないし、いつまでも可愛い存在のままだから、人間以上に飼主さんは「遺族」になってしまう可能性など想像できないだろう。
だから飼主さんに対して、どれだけ詳しく納得頂くまで説明できたかが大切だと思う。
そういう意味ではクドイくらいが丁度いいが持論だが、なかには鬱陶しく思う飼主さんだっているでしょう、理解力が優れている方なら尚更。
こちらもヒト見て判断する訳にいかず、最初はさじ加減が難しいことなのだが、そこは飼主さんとの関係性を重ねていくことで解決される。

結局相互理解なんです。

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