強制給餌の量

先日、ある初診飼主さんの不可解な報告があった。

「愛兎に3日間強制給餌しているのに糞が出ない」

即座に「そんなわけないだろ」と思いつつも、そこは表情にも出さず診察を進めてみると。。。
そのウサギ、お腹スッカスカ、本当に強制給餌を行っていたのなら、飲み込んだ餌どこに消えたの?

例えば、当院で強制給餌に利用しているシリンジはこの2種。

一昔前なら2〜3kgの患者さんがざらにいたので、右(黄色)の30mlのカテーテルチップ(先端が太い)シリンジを利用していましたが、最近はペットウサギの小型化が進んでいるので、左(紫色)の20mlが主流になっています。

強制給餌が必要な場合は、必ず患者さんと実演して、飼主さんにレクチャーします。
最近は、一回きりの説明では理解されない飼主さんもいますから、ネットにあげないことを約束に、スマフォ録画することも許可しています。

その実演の際、20mlシリンジの大きさにたじろぐ飼主さんがいます。
「えっ! そんなに食べさせるの?」と。
しかし実際にその量はこんな感じ。

こんな感じ、ウサギの胃袋想定したら大した量じゃない。

強制給餌の目的は栄養供給と消化管の再稼動で、どちらも少量では効果がなく、ある程度食べさせないと意味がないと思っています。
そこで大凡20ml程度は必要だろうと、私的に判断したのです。
加えて、ウサギは長時間の保定を受け入れない動物ですから、強制給餌の作業はテンポ良く短時間で済ませるべき。
だから20mlシリンジが最適だと思っています。

振り返って前述のウサギ、一体どんなシリンジで強制給餌されていたのでしょうね?

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