夏に冷や汗びっしょり

元来石橋を叩いて渡る性格というか、渡らないで済むならそうしたい臆病者だ。

日々の獣医療業務のなかで最もストレスを感じて、やらないで済むならそうしたいのが手術だ。
しかし一日中ウサギを診ていれば、それ相応に手術が必要、手術以外に解決法がない、飼主さんも私も腹括ってせざるを得ない手術というものがあり、気がつけばほぼ毎日午前の診療後手術している。

体表など見える部位を手術する場合は予測が立つが、お腹を開ける手術の場合は、事前にレントゲン・エコーで調べ尽くしても、実際に開けてみたときギョッと驚く状況になったりすることもある。
散々術前に石橋を叩いても、予測を超えた状況に対処することを強いられるのだ。

外は30℃越えの灼熱地獄なのに、手術室で冷や汗をびっしょりかきながら、満足いく結果にするため、スタッフ共々奮闘する。
うまく行ってホッと一息、束の間の脱力感に浸っている横で、手際良く後片付けをしてるスタッフが、抜け殻の私を一瞥し

「せんせい、汗臭くなるから午後の診療前にシャワー浴びてくださいね」

当院は、優秀なスタッフに支えられて成り立っていると実感する。

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