ウサギに犠牲心がある?

中秋の名月の13日NHK放送「チコちゃんに叱られる」の録画映像を観た。

チコちゃんのタイムリーな疑問が「なんで月にウサギがいるの?」で、その答えが「ウサギは自分を犠牲にしてでも人を救おうとする美しい心の持ち主だから」でした。
根拠として、インドの仏典ジャータカに記された「兎の話」を紹介してました。

番組では、ウサギという動物が犠牲心に富むことを強調していて、実はそのウサギ、釈迦の前世の姿ということを最後にチョロっと言っただけだったので、普段愛兎のワガママに振り回されている我々ウサ飼いにしてみれば、甚だ違和感のある解説だったと思います。

上リンクのジャータカを読めば納得ですが、ウサギは前置きとして普段から他動物に教えを説いてますし、満月の日に修行に誘っていますので、それは最早ウサギというより、釈迦そのものの言動であり、実は釈迦の犠牲心の現れだとわかります。
番組ではこの前置きが省かれており、それが違和感に繋がってしまいました。

しかし、改めて当院のイナバに至る歴代ウサギたちを思い出してみますと。

彼らは当院で飼育されると共に、ウサギという生きもの、その習性、扱い方、病気の治療法考案に至るまで、私に様々なことを教えてくれました。
また、私と一緒に動物看護学院に出向き、診療時には診察室にやって来て、生徒や飼主さんにも技術や知識を提供する手助けをしてくれました。

私の生業、学生、飼主さんのため、身体を提供してくれたウサギたち。
自ら進んでというわけではないので犠牲心とは言えずとも、多大な犠牲を払ってくれた感謝すべき我が子たちです。

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