こっちの言うこと先聞いて

ネット上の過去の当院評価を見ればわかるけど、昔は飼主さんから散々なコメントを頂いたことが珍しくなかった。

それは、飼主さんとの良好な意思疎通が叶わなかったことに起因した。
原因はこちらの自信・知識・技術・経験不足から来ることで、獣医療レベルに留まらず、対人・対話術も含めたものだと思う。
飼主さんのリテラシーが低いから(もっと辛辣な言い方かも、ごめんなさい)と言い訳しても、結局は自分の力不足だと後々冷静に考えればわかる。

来院された飼主さんが思いつくまま、まとまりなく愛兎の症状をひたすら列挙するとする。
聞いてる私は、自分の頭まで飼主さんの混迷に引き込まれないように、なんとかまとめようとするあまり、プラス診察時間のロスを解消するために「ちょっと一旦こっちの言うこと聞いて」と強引に流れを変えようとする。

私の力不足を決定する言葉なんだ、これが。
それを認識して以来、極力この、後々非常に後悔する言葉は発さないよう気をつけている。
・・・が、いまだにどうしてもたまに出てしまう。
まだまだ私の力不足。

過去に私からこの言葉を浴びせられたにも関わらず、その後も当院へ来てくださり、飼主さんの方から私が診療しやすいように努力してくださり、今では冗談話に花咲かせながら会話が進むようになった方がいらっしゃる。

頭が上がりません。

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