ドクター・スリープ
夢中になって2日で読み終えた。
キングがまだ小説家で食えなくて教員で生計を立てていた頃、1977年の作品が「シャイニング」
それから36年経過し2013年に発表されたのが本作「ドクター・スリープ」
シャイニングのあの少年がしっかり親父の遺伝子受け継いで、アルコールイ依存症と癇癪持ちになり、苦しみながらもそこから立ち直りつつ、自己の特殊能力を人知れず善行利用し、昔の頃の自分のような幼い能力者と出会い、吸血鬼のような悪の集団と戦い・・・が簡単なストーリー。
作者後書きでキングは
「キューブリックの映画「シャイニング」のどこが怖いのか、さっぱり理由が分からん」
と相変わらず30年前の映画所業をバッサリ切り捨て、小説の「シャイニング」プラス「ドクター・スリープ」こそが「トランス一家の正史」としています。
キューブリックとキング、何がそんなに違うのか?
「死後の世界? そんなもんあるわけないがな」by キューブリック
正直私も2年前に生まれて初めて全身麻酔下の長時間手術を受けた際、夢も意識の欠片もない無の時間を経験して、キューブリックの死生観に近くなっている。
しかし経験した無への恐怖心から、願望としてキングの世界を求めてしまう。
本作もキングらしい温かいホラーで満足でした。