FAKE

50作目

聴覚障害を抱えながらゲーム音楽などを手掛け称賛されるも、ゴーストライターによる楽曲を自作として発表し問題になった佐村河内守と、映画監督森達也によるドキュメンタリー。

「衝撃のラスト12分」に興味津々で鑑賞したが、一連の騒動の真相が暴かれると期待して観たら肩透かしを食らった。
しかし、だからつまらなかったというわけでなく、騒動を伝える日本メディアの姿勢、世間を欺いたという意味では共犯者であるゴーストライター新垣隆氏の扱われ方、それと対比される海外メディアの真実を追求しようとする真摯な姿勢とのギャップは、観ていて十分怖いものがありました。

「TVを作っている彼らには、信念とか想いとかがない。出てきた人をどういう風に使ったら面白いか、しか考えてない」

という森監督の言葉が印象的でしたが、それを言う監督自身が敢えてクライマックスでやらかす意味とは?

観終わったあと、釈然としないので、答を求めて映画評論家町山智浩氏の音声ファイルの有料ダウンロード・ショップで授業料払って教えてもらった。
えっ、そこまで深く観るのは普通無理でしょ。
「ドキュメンタリーは嘘をつく」と宣言してやらかすくらいなら、もう少し分かりやすく誘導してよ、が最初の感想だったが、いや、待てよ、ここまで悶々と考えさせるのが監督の狙いなら、完全に術中にはまったんだなと納得。

まあでも、この手法の映画はこれだけでいいかな。

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