燃える闘魂 ラストスタンド

現在79歳、全身性トランスサイレチンアミロイドーシスという血液循環が阻害される難病になり、長期入院してからのアントニオ猪木は、正直直視できないし、したくなかった。

しかし先日、NHKで猪木のドキュメンタリーが放送されたことを知って、咄嗟に思い立ってNHKプラスで確認した。
番組プロデューサー兼ディレクターの鈴木健三は元新日本プロレスラー。
彼は現役時代、リング上で「自分の明るい未来が見えません」と訴えたが、猪木に「見つけろ、テメエで」と斬り捨てられた選手だった。
そんな彼が晩年の、ひょっとしたら最後になるかもしれない、猪木のオフィシャルな映像番組を作ったというのが感慨深い。

出演者は、棚橋弘至、古舘伊知郎、村松友視、藤波辰爾、藤原喜明、宮戸優光。。。人選に様々想像が膨らむプロレスファンは多いだろう。
敢えてこのなかに加わらない、孤高の立場で猪木直系を自負する人物がいることも、ファンなら周知、言わずもがなだ。

退院直後、猪木は猪木らしくサービス精神全開で「この〜木なんの木、気になる木〜、猪木です」と挨拶した。
これを一般のファンに紛れて無言で、しかし瞳をギラつかせながら笑顔とも泣き顔とも取れる表情で見つめていたアントキの猪木。
己の人生左右される程猪木に揺さぶられた人間の顔だった。
彼のようなファンは現在もそこら中に存在する。

プロレスと自分に市民権を持たせるため、世間と闘い続けてきた猪木。
彼は、最期まで曝け出して “燃える闘魂” を全うする覚悟だ。

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