グランド・ジョー
主演のニコラス・ケイジの最高傑作! という宣伝文句に唆られて鑑賞したが・・・
富の集中が最も著しいアメリカ(上位0.1%の富裕層の富が全体の22%を占め、それは下位90%と同額)の、下位の生活の実態を生々しく描いた作品。
アメリカンドリームなんて起きようにない、救いが皆無な日常の中、父性愛に突き動かされた男と、悲惨極まりない環境から這い出そうとする少年の物語。
感情移入するのはやはり男の側。
本作を観れば、トリクルダウン理論なんて嘘っぱちだったのは歴然。
中間層が崩壊しても、ひたすらアメリカの後についていくこの国の将来も、こんな状況になっていくのかと思うと、非常に暗い気持ちになってしまう。
観なきゃよかった?
いやいや、観て考えるべき、特に政治の人間が。