水谷豊自伝

今年71歳になった俳優・水谷豊に、故・松田優作の元嫁で、旦那繋がりで古くからの知り合い、作家の松田美智子がインタビューを重ねて書き上げた自伝。
本人曰く「自分の人生大したことなかったから自伝なんて」と、謙虚どころか本心で思っていそうなところを、古希の勢いと著者との深い繋がりによって完成した奇跡の一冊?

昭和郷愁世代には、やはり前半の「傷だらけの天使」「熱中時代・教師編」「熱中時代・刑事編」での共演者とのエピソード、最初の結婚と別れ、そしてキャンディーズ・伊藤蘭との再婚の話が非常に興味深かった。
そして本書読者にして、実は「相棒」シリーズを全く観てないという大問題児な自分でも、後半以降ダレずに読了できた。

最初の結婚こそ4年という短命だったが、次の結婚生活は順調の上をいくもので、現在まで毎年30年以上バレンタインのチョコを貰い続け、水谷氏の帰宅を「太陽が帰ってきた」と迎える嫁の蘭ちゃん。
つくづく夫婦は互いの尊敬・感謝・謙虚によって持続するものだと実感した。

謙虚な志は氏の人生論にまで及んでいて、己の一生を振り返ったとき「素晴らしい人生だった」ではなくても「まあ悪くはなった」にしたいと日々努力し、それでも自分は「せいぜい地獄の娯楽担当」と謙遜する。
自分なら何担当?と読んでいて思った。
地獄のウサ飼育啓蒙・治療担当?。。。いえいえ、自称なんちゃって獣医師が畏れ多い。
地獄のお人好し担当か。
お人好し。。。もちろん良い意味ではない方で。

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