ウサギという生きもの

ウサギを診るようになって四半世紀、自分でも何頭もの愛兎飼って勉強させてもらった。

彼らの感情を擬人化して、なんとか掴もうと努力して辿り着いた結論は、彼らは抜け目なく、自分本位な生きものだということ。
主従関係が成立したからといって飼主に必要以上に懐かないから、イヌかネコでいったらネコに近い性格、いや、ネコ以上にツンツンでデレ無しな生きものだと思う。
極端な話、給餌するときだけ寄ってくるような生きものなのだ。
愛兎相手に最低限の主従関係も構築できず、右往左往させられている飼主さんは、なにが嬉しくて彼らを飼っているのだろうか?
失礼だけどドMなのか?とも思っていた。

それが最近、相棒の愛兎と接してみて考えが改まった。
飼主である相棒どころか、私に抱かれながら長時間、気持ちよく寝ているのだ。
目前に手を差し出しても逃げようとしない。
私と対峙しても、警戒心とか緊張感が感じられない。
当院の顧客なので、定期的に私は彼に診察という不快感を与えているわけで、本来なら大嫌いな人間である筈なのに。

バカなのか?

いや、洞察能力が欠けていたり、落ち着きがないわけではないから否だ。
どうも私を侮れないオッサンと認知した上で、この状況では滅多なことされないだろうと測りつつ、私に身体を預けてくれるのだ。
さすがにイヌのようなデレデレは無いが、イヤイヤではなくてリラックスしているのがわかる。
彼との関わりは私の認識を改めさせた。

ウサギは、家畜から愛玩動物としての歴史がスタートして300年ちょっと
今後はこういうウサギが増えるかもしれません。

注)
昨今の厳しいコンプラ反映して、獣医師が患者を「バカなのか?」とは何事か!! と怒りだす◯◯はいないよな。
全体の流れをリテラシー使って読んでね。

1つ星 (18 投票, 平均: 1.00 / 1)
読み込み中...

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

カレンダー

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

このページの先頭へ