しっかりするのに大人子供は関係ない

当院の飼主さんにも様々な方がいらっしゃいます。

ここは真実を暴露しますが。。。
緊急事態でもない、それどころか通常でも来院する必要ない状態なのに「うちの◯◯ちゃんが大変なんです! 先生今すぐ診てくださいっ」と休日の深夜に連絡してくる大人の方(飼主さんが病んでます?)もいれば。
決断のとき、驚くほど心遣いができる中学生もいます。
前者の話をしても皆さん気持ち良くなりませんので、今回は後者の話をします。

中学生の娘さんが両親と飼っている愛兎を昨日手術しました。
私の不甲斐なさを白状しますが、その病気の手術の危険度に怖気付いて、しばらく内科療法を試していたのですが、とうとう退けなくなり飼主さんの了解を得、手術に至ったのが昨日でした。
愛兎を一番可愛がっている娘さんは学校なので来院したのはご両親、彼らに術前の説明しながら、彼女から直接了解が取れず少し心残りだったところ、察したようにご両親が彼女の手紙を手渡してくれました。

従来手術前に手紙を受け取ると、決まって「大事な家族なんです」「信じてます、助けてください」「この子が亡くなったら私はもう。。。」なんて、こちらのプレッシャーを増幅させる逆効果な内容が殆どですから、一瞬読むのを躊躇いました。
しかし思い切って読んでみると、非常に丁寧な敬語を用いた中学生らしからぬ文章で、今までの感謝の気持ちが述べられており、最後に「手術を決断したのは自分だから、たとえ悪い結果になっても後悔しません、どうかよろしくお願いします」と書いてありました。

長年この稼業してきてこんな完璧なKOパンチ初めて。
相当感動し、
彼女の思いを背負い、
全ての悲観的要素振り払って、
前向きで挑戦的な手術を実行できました。

1kg満たない非力な身体の患者さんでしたが、
神懸かり的な生命力で手術を耐え、
まだ完全には安心できませんが、
手術から一夜明けて、今は牧草をバクついてます。

上手くいった一番の要因は、術前に読んだ手紙だと大袈裟でなく思います。

余談ですが中学生の娘さん、将来獣医師目指していると聞きました。
彼女が現場デビューする頃、とうに私は引退してますが、どんな立派な先生になってくれるか本当に楽しみです。
間違っても私のように “なんちゃって” 獣医師と名乗ることはないでしょう。

1つ星 (28 投票, 平均: 1.00 / 1)
読み込み中...

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

カレンダー

2024年5月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

このページの先頭へ