白状します

動物アレルギー発症を理由にペットを飼うことをやめたと、伴侶動物はイナバで最後と過去に宣言したことがあります。

もう飼わないと決めた本当の理由は別にあります。
白状します。
以下に述べることを獣医師である私が言ってしまっては、身も蓋もありませんが。

人間がウサギに真の幸せを本当に望むなら、彼らに「自由」と「安全」と「健康」を提供しないといけないことに、異論がある飼主さんはいないと思います。
人間の世界でも「自由」「平等」「平和」を、いくら唱え続けても叶わないことと同様に、ウサギの世界でも「自由」「安全」「健康」を、其々満足いくだけ叶えることは不可能だと思います。
ウサギの「健康」を得るためには、保護者となる飼主さんの頭脳と努力と愛情、獣医師の寝る間も惜しむ探究心が必要ですが、現実には全ての病気を克服することはできません。
また「自由」に重きを置けば「安全」が阻害され、その逆も成り立つことは、考えれば容易にわかることです。

どこまで気を配って注意・努力しても、自分の責任のもとで、自分が満足いくウサギ飼育は実現できないと思うと同時に、自分の年齢も考えれば最後まで責任を全うすることも危うくなって、ウサギ飼育を諦めることにしました。

本当に身も蓋もないですね。

しかし実現不可能であっても追求し続けるのが「人間」だとも思います。
ましてや現在100%の愛情をウサギに注いでいる方々には、全くもって無意味な話でしょう。
私が身も蓋もないといいながら、「なんちゃって」獣医師を続けているのは、ウサギの「自由」「安全」「健康」、全てを満足いくところまで実現できなくても、それぞれを少しでも今以上に引き上げることを思考して、飼主さんに提供したいと思っているからです。
もちろん食っていくためが大前提ですけどね。

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