誰がボン・スコットを殺したか?

40年以上の活動期間の大半に渡って、世界的成功を収め続けている伝説、不変で究極に純化した音楽スタイル故、時代に関係なく愛され続けているロックバンドAC/DC。
その初期の活動6年間だけ在籍したにも拘らず、バンドの特徴を決定付け、彼亡き後ファンになった者たちをも残された音源で魅了し続けるボン・スコット。
本書は彼のバンドでの活動期間最後の4年間(1977〜80)を、可能な限り詳細に検証し、その死の真相に迫り、英・仏でベストセラーとなった傑作だ。

当時何が起きたか? 誰がキーパーソンなのか? の究明は実はそれほど重要ではなく、世間で知れ渡っているボンの死因に新たな真実を加えたことが重要で、現在の視点から読めば常軌を逸した、70年代活動したミュージシャンの生活ぶりが克明に描かれている。

著者は1973年生まれのジャーナリストであり、リアルタイムで体現した筈がないAC/DCの姿を、ここまでのボリュームで入念に調べ上げ、ほぼ真実であろうと思わせる仮説を立てたことに感服してしまった。
自分も本書を読んでいる間何度も中断し、当時の音や映像をネットで探す確認作業を挟み、結果予想以上に時間を要する読書になった。

彼らの最高傑作として長年愛聴していた「バック・イン・ブラック」が、本書読了以降、今までとは全く異なる心境と認識を持って聴け、バンドの黄金期と黎明期の評価を逆転させてしまった(もちろん後者が上)、私的には衝撃の書でした。

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