ウサギの食糞

ウサギは食糞ができないと栄養不良で死んでしまう、という断定的な発言を耳にすることがあります。
本当でしょうか?
2012年発行の「エキゾチック臨床vol.6 ウサギの食事管理と栄養」によれば、

盲腸便の摂取量は食事中のタンパク質と繊維の含量に依存し、低タンパク質・高繊維であるほど食糞は増加する。

と記載があります。
であれば逆に、普段から高カロリー食を与えられている肥満ウサギは、高タンパク・低繊維ですから食糞は減少するといえます。
当院で診た経験でも、肥満体質のウサギは実際に盲腸糞を食べずに残していることがありました。
また、超肥満個体は前屈姿勢での食糞動作ができないでしょう。
加えて、脊髄疾患や老齢で身体運動に障害のあるウサギも、満足に食糞できないことがあります。
しかし、それらのウサギが栄養失調で死んでしまった場面に遭遇したことは、今のところありません。

肥満ならば給餌栄養の見直し、脊髄疾患・老齢ならば介護療法によって、ウサギの命を守ることは可能です。

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