2000年の桜庭和志

同著者の「1976年のアントニオ猪木」「1984年のUWF」に続く3部作最終章になる。
アントニオ猪木が提言したストロングスタイルを、プロレスラーで実践し、後に世界No.1総合格闘技団体UFCの殿堂入りを果たした唯一の存在、桜庭和志の道のりを追った書。

PRIDEでの体重差がありルールが曖昧、不利で過酷な戦いが改めて浮き彫りに。
当時と同じ人物たちのプロモートで運営されている現在のRIZINで、いくらエキシビションといえ、体重と実力が余りに離れた、キックボクサーとボクサーの試合に嫌悪感を抱いたのは、過去に桜庭選手が酷使・搾取され疲弊していく過程を記憶していたからであり、本書にもその模様が詳細に描かれている。

桜庭選手の90年代後半から2000年初頭の活躍は、プロレスファンの溜飲を下げた上に、総合格闘技の社会認知度を上げ、結果として日本での総合格闘技とプロレス、両方の存続に大きく寄与した。

そして現在彼が提唱している寝技オンリー格闘技のイベント「QUINTET」、今年はまだ大会が開かれていないようだが、地元で開催されることがあれば是非観たい。

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