1964年のジャイアント馬場

2014年に上梓されたジャイアント馬場自伝が、一部書き直し、追加あとがき、解説(市瀬英俊)、特別収録(ブルーノ・サンマルチノ)を加え、文庫版として再登場。

50年代は力道山、60年代はジャイアント馬場、70年代はアントニオ猪木の時代。
私的にはどっぷり猪木に洗礼を受けた世代だから、5年前に発行された時点では興味がなく、この度の文庫本もそれほどの期待があったわけではない。

しかし侮っていた。

本書はジャイアント馬場の自伝でありながら、日本プロレスの歴史書ともいえる貴重資料だ。
力道山の正統後継者・馬場が実力人気共に最高だったからこそ、猪木はジェラシーで奮起し新日本を立ち上げ、猪木に反発したUWF・前田と修斗・佐山の活動が、現在のRIZINやK-1の元となり、プロレスの本流は中邑のアメリカ進出に至った。
馬場が絶好調のとき日本に戻らず、アメリカで活躍を続けていたら、現在の状況は一変していたことをまざまざと想像させる一冊だ。

猪木ではなく、馬場がキーパーソンだった。

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