診察室の日明
ウサギの飼主さんは女性か若い世代が多く、私と同年代の男性というと家族に付き添って、診察室で言葉は発しず見守るだけというような静かな殿方が多い。
ほとんどがそのまま会話することなく去って行かれるケースが多いのですが、稀に一瞬で私と盛り上がり、次回から笑いながら会話が弾む関係になる場合がある。
少年期、強さに憧れた男子なら誰もが洗礼を受けた昭和プロレス、そこから猪木、UWF、リングスと修行を重ね、前田日明原理主義者ともなれば、思いがけず目にした教祖の姿に恍惚と不安を感じる筈。
そう、患者の愛兎そっちのけ(注 : もちろん病状によります)で、熱く語ってしまうのです。
ひと月に数名、必ず引っかかる方がいます。
いやよそう
診察室が戦いのワンダーランドになってしまうから。